華の色

5人の嵐と4人のNEWS

星野源に救われた私が『POP VIRUS』に感染して注釈付指定席で思ったいろいろなこと






“音楽に救われる”

そんな経験をしたことがあるだろうか。

普段聴いている音が、ある日突然彩りを持って心の中に溢れていく。
「胸を打つ」という慣用句が実体として目の前に広がる、そんな経験。









去る1月の終わり、嵐が2020年を持って活動休止することを発表した.


察しのいいオタクではないので、まったく予想していなかった出来事だった。
ただ驚くことに精一杯で、周りの友達がつぶやく悲しさや戸惑い、怒りですらも感じられなくて、そのことがとても怖かった。


なにより、感情が死んでしまったような数日を過ごすうちに、嵐だけじゃない、ずっと聴いてきた大好きな音楽を聴けなくなってしまった。
音が素通りしていくことがすごくつらくて、自分の思っている以上に根っこの部分からショックを受けているということにその時ようやく気が付いた。
気付く間もなく身近にいた音楽とともに生活できないことが、どんどん自分をダメにしていく気がした。


それからまた数日たって、何とか気分を変えたくてラジオを聴くことにした。
ジャニーズの人のは聴ける気がしなかったので、いつも通り、星野源のANNを選んだ。

緩く始まった源ちゃんのラジオ。1曲目は嵐の「Happiness」だった。

泣きこそしなかったが、心の奥がじんわりと滲んだ。
自分からはしんどくて聴けなかった嵐の歌が、源ちゃんのラジオのおかげで私の手元に戻ってきた。今流れる音楽に救われている。散らかりっぱなしのパズルのピースを集めてそっとポケットにしまい込んだ、そういうかんじ。
それからしばらくは源ちゃんの音楽が日々のエンジンみたいな存在だった。前向きに、とまではいかないけどそれなりに心の置き場所を考え受け入れる準備ができた。
WORLDISTAが発売されるまさにほんの数日前まで、源ちゃんの音楽が心のリハビリを手伝ってくれていた。






そして先月の終わり。

前日、Maroon5の来日公演を存分に楽しんで浮かれポンチな私の携帯にメールが届いた。
たまたまメールを開いて、その内容にびっくりして、浮かれポンチな気分のままあるチケットを購入。後先考えて無茶できるかぁっ!の精神。(cf.忍びの国)




そのわずか2日後。


おっかなびっくり、ワクワクしながら東京ドームの中へ入った。




初めて手にした『注釈付き指定席』
所謂見切れ席で、調べたかんじだと演出構成の関係で見づらいところがあるらしい。


ところが席にたどり着いてまーーーーーーびっくり。
「ステージめっちゃ近いですやん……」(思わぬ関西弁)


確かにセンステ真横、正面のステージは照明の陰から覗き見る形で映像にいたっては全く見えない。
ただし、私たちのいる両側に向かって花道が伸びているのだ。つまり横に伸びる花道を源ちゃんが歩くと、表情が肉眼で見える距離になる。なんだそれ聞いてない。
しかもセンステ両サイドには高画質のモニターが2台ずつある。優しい。自分の目の前を横切るようにバクステへ続く花道もある。双眼鏡使っても視界良好。もしかしなくても良席!!!






何より今回の『POP VIRUS』、セトリが完璧だった。

東京ドームのど真ん中から始まる1曲目は、源ちゃんが初めてのワンマンライブのために書き下ろした「歌を歌うときは」
そして2曲目は、最新で斬新で最高に音が楽しいリード曲の「POP VIRUS」

懐かしい音楽や踊らずにはいられない音楽、嬉しいサプライズに豪華で最高にくだらない盛り上がり。
源ちゃんの声が空気を震わすかと思えば、華やかなダンサーさんが世界を揺らす。(これまでのMVやコンサート衣装で出てきてくれた時が最高に興奮した!!!!そういうの大好き!!!!!)


自然に揃う手拍子と自由にリズムに乗るドームの一体感が本当に素敵だった。
「音楽が人と人を繋ぐ、世界に散らばるたくさんの事象を結ぶ」。揺れるドームを見渡したとき思ったことだ。



源ちゃんの作る音楽は、楽しい音で溢れているのに歌詞は決して幸せ120%ではない。
どこかで傷つき、哀しみ、絶望し、諦めていることだってあると感じる。

あの大ヒットした「恋」でさえ、2番Aメロは

みにくいと 秘めた想いは色づき

と始まる。
「ふたりでひとつになろう」そう語られがちな理想を壊しながらも「「ふたりのままでひとつになろう」」と歌う。

生活を続ける中で、隠したい、見て見ぬふりをして、なかったことにしたい気持ちを言葉にして、優しさという名の強さでそれらの気持ちを包み込む。
源ちゃんの歌は、脆そうに見えるときもあるけど、いつだって強くて優しい。それが愛される魅力なんだと思う。



源ちゃんの音楽でいちばん好きな「Week End」という曲はこんな歌詞で締めくくられる。

さよなら
目が覚めたら すべて連れて
未来を今 変える
週末の街角 朝まで
電波を 世間を 未来を 踊ろう

誰かといても孤独だと感じてしまう瞬間があるように
ひとりでいること、人と違うことが必ずしも孤独とは限らない。
隣の人と歩くペースが違っても、手を繋いでいれば同じ方向へ向かって行ける。




大好きな人に、笑顔でいてほしい。
大好きな人と、笑顔で逢いたい。


すっかりPOP VIRUSに感染してしまったら、大切なたったひとつの願いを見つけました。








いよいよ明日から!私たちの幸せな旅がまたひとつ始まります。
この願い、ずっとずっと忘れずにいたいな。忘れないよ。

笑顔で逢いましょう!♡






おわり。